小さな身体変化に注意が集中する
しこり、脈、痛み、便の色などを何度も確かめ、普段なら通り過ぎる感覚まで強く感じます。
ILLNESS ANXIETY
身体の変化に気づくことや必要な検査を受けることは大切です。一方、検査で大きな異常がないと説明されても別の病気が気になる、検索や測定を止められない、安心できるのが短時間だけという状態では、病気不安症や強い健康不安を考えます。身体症状が少ない場合も、実際の身体疾患が併存する場合もあります。「気のせい」と決めつけず、安全の確認と不安の悪循環への治療を両立します。
名称について「心気症」は以前から使われてきた名称です。現在は病気不安症や身体症状症などに整理されるため、身体症状の程度と不安・確認行動の特徴を確認します。
検索、測定、家族への確認、受診は、その場では不安を下げます。ただし短い安心を繰り返すほど、次の身体感覚を危険と判断しやすくなることがあります。
しこり、脈、痛み、便の色などを何度も確かめ、普段なら通り過ぎる感覚まで強く感じます。
検索や検査の直後は落ち着いても、別の可能性や新しい症状が気になり、安心が続きません。
運動、外出、食事、仕事を控え、体力や役割が失われることで、さらに身体感覚へ注意が向きます。
必要な医療を減らすことではなく、必要な受診と不安による反復を区別できる診療計画を作ります。
病気を心配すること自体ではなく、心配・確認・回避が長く続き、生活を占領しているかを見ます。


会議や作業中も症状が気になり、検索や測定で仕事が中断します。検索履歴を消しても不安そのものは残ります。
「今回は大丈夫でも次は違うかも」と考え、次の検査や別の診療科を探します。結果の説明を繰り返し読んでも確信が持てません。
家族に何度も身体を見てもらう、受診すべきか判断してもらう状態が続き、本人も家族も疲弊することがあります。
病気不安症は、重い病気にかかっている、またはかかるという強い心配が持続し、確認・検索・受診・回避などによって生活に支障が出る状態です。以前「心気症」と呼ばれた領域を含みますが、現在の診断分類とは完全に同じではありません。身体症状が強い場合は身体症状症との違いも整理します。実際の身体疾患があっても健康不安は併存し得るため、病名だけで身体診療を打ち切りません。
生活への支障を基準に考えます。疾患名をご自身だけで決める必要はありません。経過、生活、仕事への影響を診察で整理します。
初診時点で診断が確定しない場合もあります。経過を確認しながら治療方針を調整します。
身体疾患を否定するためではなく、必要な身体診療を保ちながら健康不安を治療するための研究です。

メタ解析では、健康不安に対するCBTは対照条件より症状を改善し、その効果が追跡期間にもみられました。ただし全員が寛解するわけではなく、個別の治療計画が必要です。
パロキセチンまたはフルオキセチンを用いたランダム化比較試験では、健康不安の改善が報告されています。薬物療法の研究数は心理療法ほど多くないため、症状、併存症、これまでの治療反応、副作用への希望を踏まえて選びます。
一般病院の外来患者を対象としたCHAMP試験では、健康不安に特化したCBTの改善が5年、8年の追跡でも確認されています。
実際の身体疾患が併存する人も研究に含まれています。身体評価を保ちながら、不安・確認・回避を治療対象にする考え方です。
診察では、心配している病気、身体症状の経過、これまでの検査と説明、新しい危険徴候を確認します。同時に、検索・測定・受診・家族への確認に使う時間、避けている活動、仕事への支障を整理します。身体疾患、身体症状症、強迫症、パニック症、全般性不安症、うつ病などとの違いや併存も確認します。

結果を聞いた直後しか安心できず、別の検査や病気を探し続けています。
止めたいと思っても確認せずにいられず、睡眠や仕事が削られています。
運動、外出、食事、通勤などを避け、以前できていた生活ができなくなっています。
安心を求めるやり取りが増え、本人と周囲の関係に負担が生じています。
検査を一律に止めるのではなく、身体の安全を確認したうえで確認行動と回避を少しずつ変えます。

必要な検査と再受診の目安を共有し、新しい危険徴候には対応できる一方、同じ目的の検査を際限なく繰り返さない計画を作ります。身体症状を軽視するためではありません。
身体感覚を危険と判断する考え方を検討し、検索や測定を少し待つ、安心確認を減らす、安全を確認した活動へ戻るなどを段階的に行います。研究ではCBTの有効性が支持されています。
病気へのとらわれや確認が強く、仕事や生活への支障が続く場合は、SSRIを治療の一つの柱として検討します。パロキセチンやフルオキセチンを用いた比較試験があり、全般性不安症、パニック症、強迫症、うつ病などが重なる時にも選択肢になります。
SSRIは不安時だけの頓服ではなく、毎日服用し、数週間かけて効果を評価する薬です。吐き気、睡眠の変化、服用初期の落ち着かなさ、性機能への影響などを確認し、検索・確認に使う時間や生活範囲がどう変わったかも含めて調整します。
24時間Webから空き状況を確認し、ご都合のよい日時をご予約ください。
症状、経過、睡眠、生活、仕事、服薬歴、必要な支援を確認します。
生活調整、薬物療法、職場配慮、休職や診断書を含めて相談します。
症状により仕事の継続が難しい場合は、業務軽減、残業制限、休職、復職時の配慮を相談できます。医師が必要と判断した場合、当院書式の診断書は原則即日発行が可能です。
いいえ。身体疾患がある方にも強い健康不安は併存します。診断名を理由に新しい症状を無視せず、必要な身体診療と不安への治療を両立します。
関連する概念ですが、診断体系の変更により定義は完全には同じではありません。現在は身体症状の程度や不安・行動の特徴を確認し、病気不安症や身体症状症などを検討します。
一律に止めることはありません。必要な評価と再受診の目安を共有し、同じ目的の検査や安心確認を繰り返すことで不安が長引いていないかを一緒に確認します。
薬物療法が適すると判断した場合は、SSRIを中心に検討します。パロキセチンやフルオキセチンには健康不安を対象とした比較試験があります。実際の薬は、併存する不安や抑うつ、過去の反応、副作用、ほかの薬との組み合わせを確認して選びます。
いきなりゼロにする必要はありません。時間や回数を決める、検索したくなってから少し待つなど、実行可能な範囲で確認の仕方を変えます。
最終確認:2026年9月
参考資料はページ全体の医学的な土台として使用しています。実際の診断・治療は、症状、併存症、生活状況、希望を確認して個別に判断します。