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休職相談|休職の判断・診断書・傷病手当金・復職までを専門医が解説
仕事のストレスで限界を感じている方へ。休職を検討すべきサイン、受診〜休職診断書、傷病手当金、復職までの一般的な流れを、 神戸三宮の心療内科・精神科(仕事とこころのクリニック神戸三宮院)がわかりやすく整理します。
まず知りたい方へ(最短)
- 休職相談は「気合で耐える」ではなく、安全に回復するための環境調整です。
- 休職の判断は、症状だけでなく仕事・生活への支障(欠勤、ミス増加、睡眠崩れ等)で決まります。
- 休職中は傷病手当金が利用できる場合があります(最長1年6か月)。
- 復職は段階的に戻して再発を防ぐのが基本です。
はじめに|休職相談とは
現代社会では、多くの方が職場でのストレスやプレッシャーに直面しています。 新しい業務に適応できない、職場の人間関係に悩んでいる――こうした問題は誰にでも起こりうるものです。 状況が長期化すると、適応障害や うつ病などのメンタルヘルスの問題につながることがあります。 当院では、職場環境の調整や、休職・復職など、職場の不適応に対する支援を行っています。
受診の流れや持ち物が不安な方は、先に 初めての方へ をご確認ください。
職場での不適応の要因
職場で不適応を起こす原因は様々ですが、職場の要因と個人の要因に大きく分類できます。 実際には複数の要因が絡み合って不調が生じることが多いため、「原因は1つ」と決めつけず整理することが重要です。
| 職場の要因 | 個人の要因 |
|---|---|
| 対人関係の問題/長時間労働/業務のアンマッチ | 性格/思考のかたより/健康状態の悪化 |
対人関係
30代の女性Aさんは、新しいプロジェクトのリーダーに抜擢されました。しかし、メンバーとの意思疎通がうまくいかず、 特に年上の同僚が批判的な態度を取るようになりました。衝突に強いストレスを感じ、不安感や気分の落ち込みが強くなり、 夜も眠れなくなりました。
長時間労働
20代後半のBさんはIT企業でプログラマーとして働いています。急激なプロジェクト増加で深夜残業や休日出勤が続き、 慢性的な疲労感に加え、仕事へのやる気が急速に失われていきました。集中力が著しく低下し、些細なミスが増えました。
業務のアンマッチ
40代のCさんは長年営業職でしたが、管理職となり部署運営やマネジメントも任されました。 自分には管理能力が足りないと感じ、不安が増大。責任感の重さから仕事に集中できず、パフォーマンス低下へのプレッシャーがさらに負担となりました。
症状|休職を検討すべきサイン(チェック)
不適応が続くと様々な症状が引き起こされます。一つでも該当し、日常生活や仕事に支障をきたしている場合には受診をご検討ください。 病名に心当たりがある方は こころの病気について も参考になります。
休職相談の受診目安チェック
- 睡眠:眠れない/寝ても回復しない/朝起きられない
- 仕事:欠勤・遅刻が増えた/ミスが増えた/集中できない
- 気分:気分の落ち込み/楽しめない/不安・イライラが続く
- 身体:動悸・胃腸症状・頭痛などが続く/疲労感が強い
- 危険サイン:自殺念慮がある(急ぎの受診をご検討ください)
受診前の流れは 初めての方へ にまとめています。
感情に関する症状
- 気分の落ち込み、趣味や娯楽を楽しめない
- 不安感、悲哀感、イライラ感
- 常に落ち着かない、動作が遅くなる
身体に関する症状
- 不眠や過眠、食欲や体重の変化
- 疲労感や易疲労感、パニック発作
- 身体の痛み、性欲減退、気力の減退
認知機能に関する症状
- 不適切な罪責感、無価値観、自殺念慮
- 思考力・集中力の減退
- 記憶力・注意力の低下、決断困難
休職までの流れ(診断書・会社との話し合い)
STEP1:精神疾患の診断
医師の診察の結果、適応障害やうつ病などの精神疾患と診断され、その精神症状により日常生活や仕事に支障をきたしていると判断された場合、 休職を含めた環境調整が検討されます。
病気の概要は こころの病気について にまとめています。
STEP2:職場での話し合い(環境調整)
精神症状が軽度な場合、配置異動や残業制限などの環境調整で、休職に至らずに症状が改善する場合があります。 また、医師より休職を提案されたものの、休職を希望されない方もおられます。 そのような場合、「精神科クリニックを受診し、○○と診断された」「医師より残業制限や配置異動などの環境調整を提案されたが対応可能か」と、 ご本人と職場での話し合いをおすすめしています。
よくある疑問は よくある質問 もご参照ください。
STEP3:休職の診断書発行
医師が休職が必要と判断し、ご本人も休職を了承している場合、就労不能の診断書を発行します。 当院では初診当日より診断書の発行が可能です。職場に休職の意向を伝え、手続きを進めてください。
関連ページ(困りごと別にチェック)
傷病手当金(条件・期間・申請)
休職中は、通常の給与が支給されなくなる場合が多いですが、傷病手当金という制度が利用できることがあります。 傷病手当金は、病気や怪我で働けなくなった場合に支給されるもので、最長で1年6か月、1日あたり標準報酬日額の3分の2が支給されます。 支給開始には3日間の待機期間があり、4日目から支給が始まります。
受給には傷病手当金申請書を作成し、職場を通じて健康保険組合に提出します。 申請から支給までには通常1か月程度かかることが多いため、早めに手続きを進めることが重要です。 医療機関で記入が必要な部分もありますので、休職の診断を受けた医療機関に提出して証明を受ける必要があります。
復職までの流れ(復職診断書・就業配慮)
STEP1:主治医による就労可能の判断
自宅療養により症状が改善してきた場合、医師は次のような評価項目を元に、就労可能と判断すれば復職の診断書を作成します。 必要に応じて、短時間勤務や残業の禁止、職場の異動等、就業上の配慮が望ましい旨を記載します。 ご本人は診断書を提出し、復職の手続きを進めます。
復職にあたっての評価項目
- 職場復帰に十分な意欲を示している
- 通勤時間帯に安全に通勤ができる
- 会社が設定した勤務日に勤務時間の就労が継続して可能である
- 業務に必要な作業をこなすことができる
- 作業等による疲労が翌日までに十分回復している
- 適切な睡眠覚醒リズムが整っている、かつ昼間の眠気がない
- 業務遂行に必要な注意力・集中力が回復している
STEP2:職場での面談・復職可能の判定
復職の診断書が提出されると、職場の担当者や産業医を交えて、復職に向けた面談が実施されます。 健康状態の評価や復職支援のための話し合いが行われ、最終的に事業者から復職可能かどうかの決定がなされます。
STEP3:復職後のフォローアップ
職場復帰後の労働負荷を軽減し、円滑な職場復帰をするために、短時間勤務や残業制限等の就業上の配慮がなされる場合もあります。 復職後しばらくは、病状が再燃・再発しないか、勤務状況や業務遂行能力が問題ないかを、職場や主治医でフォローアップしていきます。
就業上の配慮の例
- 短時間勤務
- 軽作業や定型業務への従事
- 残業・深夜業務の禁止
- 出張制限(顧客との交渉・トラブル処理などの出張、宿泊をともなう出張などの制限)
- 交替勤務制限
- 業務制限(危険作業、運転業務、高所作業、窓口業務、苦情処理業務等の禁止又は免除)
- フレックスタイム制度の制限又は適用
- 転勤についての配慮
よくある質問(FAQ)
Q. 休職相談はどのタイミングで受診すべきですか?
「睡眠が崩れた」「欠勤やミスが増えた」「不安や落ち込みが続く」など、仕事や生活に支障が出たタイミングが受診目安です。 早めに相談することで、休職に至る前の環境調整で改善する場合もあります。
Q. 初診当日に休職の診断書は出せますか?
医師が休職が必要と判断し、ご本人も休職を了承している場合、当院では初診当日より診断書の発行が可能です。 詳細は 診断書の注意事項 をご確認ください。
Q. 傷病手当金はいつ頃振り込まれますか?
申請から支給まで通常1か月程度かかることが多いです。手続きの流れや不明点は、 よくある質問 もあわせてご参照ください。
Q. 復職が不安です。どう進めればよいですか?
復職は段階的に戻すのが基本です。主治医の就労可判断、職場面談、短時間勤務などの就業配慮を組み合わせ、 再燃・再発を防ぐ形で進めます。
さいごに(予約・アクセス)
以上、休職から復職までの一般的な流れをまとめました。職場によっては産業医が不在であったり、 復職後のフォローアップがない職場も一定数ございます。当院では、患者さまが再び万全な状態で仕事に戻れるよう支援しています。
