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なるべく薬に頼らない治療

薬
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なるべく薬に頼らない心療内科・精神科の治療方針:こころと身体をやさしくケアするために

神戸元町・三宮の心療内科・精神科の「仕事とこころのクリニック」の院長の秋田です。

現代は「ストレス社会」とよく言われるように、日々の生活において心身ともに負担を抱える方が増えています。仕事や家庭、人間関係など、多忙な環境にさらされることで、うつ病や不安障害、パニック障害、そして不眠症など、さまざまなメンタルヘルス上の問題が起こりやすくなっているのです。

しかしながら、「精神科や心療内科での治療に対して抵抗を感じる」「薬ばかりに頼りたくはない」「副作用や依存が心配」といった理由から、通院に踏み切れない方もいらっしゃるのではないでしょうか。

当院では、「できるだけ薬を使わない、必要最小限にとどめる」という治療方針を柱に据えつつ、患者さま一人ひとりの状態を総合的に判断し、安心して治療を継続できるようサポートすることを目指しています。もちろん、医学的に薬物療法が望ましいケースでは、ガイドラインに従い、必要な薬を積極的にご提案することもあります。重要なのは、患者さまの症状を和らげて生活の質(QOL)を改善しつつ、無理のない形で心身を整えていくことです。

本記事では、当院がなぜ「薬をなるべく使わない治療」を重視するのか、その背景やメリット、さらには具体的な診察の流れやセルフケアの考え方などを詳しくご紹介します。メンタルクリニックや心療内科の受診を検討している方々の一助になれば幸いです。


1.薬に頼りすぎない理由:副作用と依存リスクを減らす

1-1.薬の副作用がもたらす生活への影響

精神科・心療内科で使われる薬には、抗うつ薬や抗不安薬、睡眠薬など、多岐にわたる種類があります。症状に応じて正しく使えば、うつ状態の緩和や不安感の低減、睡眠の質向上など、生活を支えるうえで大きな効果を発揮することは確かです。

一方で、薬には副作用のリスクがつきものです。たとえば眠気や倦怠感、体重増加、集中力の低下など、個人差があるとはいえ、患者さまに負担をかける場合があります。特に長期間にわたって服用が必要な場合には、仕事や家事に支障をきたしてしまう恐れがあるため、副作用に対する注意が欠かせません。

1-2.依存リスクを最小限に抑えるために

睡眠薬や抗不安薬の一部には、依存性が高いものもあります。適切な用量と期間を守れば大きな問題にはなりにくいものの、患者さまによっては「薬がないと眠れない」「どんどん量が増えてしまう」といった状況が起こる可能性も否定できません。

当院は、こうした副作用や依存リスクを最小化するため、薬の処方を慎重に考え、できるだけ少量で済むように工夫しています。もちろん、薬が果たす役割も重要ですから、症状が重いときには必要な分だけをきちんと使い、無理のないペースで減量を検討していきます。


2.当院の治療スタイル:院長による丁寧な診察

2-1.患者さま一人ひとりとじっくり向き合う

当院は、小規模なクリニックであり、スタッフは院長のみで運営しています。臨床心理士・カウンセラーも在籍していませんが、その分、院長自身が初診からフォローアップまで一貫して担当し、時間をかけて患者さまを理解することを大切にしています。全国チェーンのメンタルクリニックでみられる、2−3分しか診察時間がとってもらえない、ということはありません。

患者さまが現在どのような悩みを抱えているのか、日常生活の中でどんな苦労があるのか、これまでの治療履歴や生活習慣など、可能な範囲で詳しく伺い、状況を把握したうえで診察・アドバイスを行います。

2-2.個人の状況に合わせたオーダーメイドの治療

医院が大きくなると、複数の医師やスタッフが連携して患者さまをサポートする体制も有効ですが、当院では、院長一人がすべてを把握したうえで治療方針を決めます。そのため、全国チェーンのメンタルクリニックでよくある「前回の診察と異なる医師が対応する」「複数の意見が分かれて混乱する」といった心配がありません。院長が常に一貫した見立てをしやすいというメリットがあります。症状やご要望に合わせて、薬の使い方や診察のペースを調整できるのも当院の特徴のひとつです。


3.ガイドラインと薬物療法:必要な薬はしっかりと提案

3-1.エビデンスを無視しない方針

「薬を最小限に」というと、薬を使わずに自然治癒力だけに頼るというイメージを抱かれるかもしれません。しかし、重症のうつ病や統合失調症、双極性障害など、ガイドラインで薬物療法の有効性が確立されている病態では、早期に適切な薬を導入することで、患者さまの負担を軽減できる場合が多々あります。

当院でも、医療ガイドラインやエビデンスを尊重し、必要と判断された場合は薬物療法を積極的にご案内いたします。大切なのは、「使うべきときに正しい使い方で薬を用いる」ことです。

3-2.納得感を大切にした薬の選択

薬物療法を行う場合、患者さまが副作用や依存リスクを懸念されることは珍しくありません。そのため、当院では、薬を処方する際にできる限り分かりやすい言葉で説明を行い、患者さまの疑問や不安にお答えするよう心がけています。

「どのような効果があるのか」「どんな副作用の可能性があるか」「どれくらいの期間、どの量を服用するのか」といったポイントを明確にし、納得いただけたうえで治療に進むことを大切にしています。もし副作用が強く出てしまったり、思うように効果が出なかったりした場合も、随時調整を行いますので、ご安心ください。


4.心と身体を整えるためのアプローチ

4-1.生活習慣へのアドバイス

薬を最小限に抑えるためには、日々の生活習慣を整えることが重要です。たとえば、睡眠リズムの乱れや運動不足、食事の偏りなどは、うつ症状や不安感を悪化させる大きな要因となる場合があります。当院では、診察時に患者さまのライフスタイルをお伺いし、簡単に取り入れられる改善策を提案することがあります。

4-2.ストレスマネジメントとセルフケア

仕事や人間関係の悩みなど、ストレスのもとがはっきりしている場合には、そのストレスとうまく付き合う術(ストレスマネジメント)を身につけることも大切です。大掛かりなプログラムを行わなくても、個人でできるリラクゼーション法や趣味を活かした気分転換など、さまざまな方法があります。

当院では、臨床心理士やカウンセラーを配置していないため専門的な心理療法は行いませんが、診察時に院長が可能な範囲でアドバイスを行います。患者さま自身が生活の中で意識できる小さなセルフケアを積み重ねることで、薬に頼りきらない治療が実現しやすくなります。


5.治療の流れと受診の目安

5-1.初診時のカウンセリングと方針の説明

初めてご来院いただいた際には、院長が症状やお悩み、これまでの通院歴や服用薬がある場合はその内容を伺います。必要に応じて、身体の検査なども検討しながら、全体的な健康状態を把握していきます。そのうえで、薬物療法の必要性やその他の治療方針、通院の頻度などを決定し、患者さまに分かりやすくご説明いたします。

5-2.定期的なフォローアップと調整

薬を処方している場合は、その後の経過を確認しながら用量や種類を調整していきます。薬の効果が表れにくいときや副作用が気になるときには遠慮なくご相談ください。薬をなるべく使わない方針とはいえ、急に減薬や中断をすると症状が悪化するケースもありますので、慎重に進めましょう。

5-3.症状の安定と再発予防

しばらく通院を続けて症状が安定してきたら、薬の量を見直したり、通院間隔を少しずつ空けたりすることもできます。再発を防ぐためにも、自己判断で通院を中止するのではなく、医師と相談のうえで進めることが大切です。万が一、再度症状が悪化しても、早めに受診いただければ適切に対処しやすくなります。


6.当院を選ぶメリットと大切にしていること

6-1.一貫性のある治療

院長がすべてを担当することで、診察の度に異なる医師に繰り返し説明する手間がなく、コミュニケーションの行き違いも起こりにくい環境です。個々の患者さまに対して時間をかけて向き合うので、細かな変化に気づきやすく、きめ細やかな対応が可能になります。

6-2.患者さまの「声」を尊重

当院では、「とにかく薬を使わない」ことだけが目的ではありません。あくまで、患者さまが望む生活の質を実現し、その方らしい日常を取り戻すために、薬を抑えつつも必要なときには使うという、柔軟な治療を大切にしています。

薬に対して不安や疑問がある場合、あるいは「もっと早く症状を和らげたい」という場合など、どのようなことでも院長に直接お話しください。患者さまの声をしっかり受け止め、納得のいく治療を行っていきます。


7.まとめ:あなたのペースで、無理なくこころをケアするために

心の不調は、無理に我慢していると深刻化しやすいものです。身体の不調と同じく、早期の対処が回復の鍵を握っています。とはいえ、「精神科や心療内科で薬をもらうのは抵抗がある」「できる限り自然な形で治したい」と思う方も少なくありません。当院では、「薬を最小限に、必要以上に増やさない」方針のもと、無理のないペースで治療に取り組めるよう配慮しています。

それでも、病状によってはガイドラインや医学的知見からみて、薬物療法を積極的に導入すべきケースもあります。そのような場合は、患者さまの不安を解消できるよう丁寧にご説明し、納得のうえでの治療を進めてまいります。当院に臨床心理士やカウンセラーはいませんが、院長が直接お話を伺う形で、可能な限りサポートいたします。「自分のペースでゆっくり話をしたい」「一人で相談に来たい」という方にも利用しやすい環境です。

こころの不調は決して恥ずかしいことではなく、誰にでも起こりうるもの。もし毎日の生活でつらさを感じているようでしたら、どうか一人で抱え込まず、ご相談ください。早めに受診することで、よりスムーズに症状をコントロールできる可能性が高まります。あなたのこころと身体をやさしくケアし、「自分らしさ」を取り戻すお手伝いができるよう、当院は尽力してまいります。

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